〔社説〕米民主党を応援した日本のメディアの愚行のツケ――米大統領選では教訓を生かせ
アメリカ合衆国の下院で、いわゆる「従軍慰安婦」に関する対日非難決議案なるものが提出されている。これは、これまでに同院で再三に亘って提出されては廃案とされ続けている決議案であり、要するに、合衆国の下院自身がこのような決議の必要性を再三にわたって否定し続けてきたということである。にもかかわらず、この法案を性懲りもなく提出し続けているのが米民主党の一議員である。
そもそも、米民主党というのは、広島・長崎への原子爆弾の投下を命じた、あのフランクリン・ルーズヴェルトの政党である。
合衆国の外交史を少し調べれば分かるが、1920年代から1930年代前半にかけて共和党が合衆国の政権を担当していた頃は、日米関係はおおむね良好であった。
ところが、民主党のルーズヴェルトが大統領に就任してから日米関係は次第に悪化に向かうことになる。ABCD包囲網(日本に対して石油を封鎖する包囲網)、ハルノートと次第に日本を追い詰めていき、ついには日米開戦に至るわけである。そして、米民主党は、終戦間際に世界で始めて原子爆弾を使用し、広島・長崎で数十万人の民間人を殺傷するという人類史上稀に見る大量虐殺を行ったわけである。
しかも、民主党のルーズヴェルトは、戦時中、当時合衆国にいた日系人を強制収容所に送り込むという最悪の人権侵害を犯している。これは、ユダヤ人を強制収容所に送り込んだナチスのヒトラーと実質的に変わらない所業である。
このように、米民主党というのは、昔から反日的な傾向をかなり明確に有する政党であり、しかも、日本人に対する甚だしい殺戮行為と人権侵害を率先して行った政党(しかも謝罪すらしていない)であるから、もし日本の国益を考えるならば絶対に支持してはならない政党のはずである。
ところが、驚くべきことに、なぜか2004年の大統領選挙では、日本のメディアの中には、共和党のブッシュを批判し民主党のケリーを支持するような論調をとるものが多かった。2006年の中間選挙においても、そのような傾向があった。おそらく日米外交史の基礎さえ知らない知識不足の記者が書いたものだろうが、余りにも不用意である。
なぜなら、日本の政治というのは合衆国の政治とリンクしているからである。日本が安保条約に依存し続ける限りは、合衆国の影響力から逃れられるはずはないのであって(だからこそ、日本は早く安保体制からの脱却を図ることにより自主性を回復すべきであるが、いずれにせよ現状においては)、メディアも合衆国の日本国の内政への影響力をきちんと認識し、それを前提とした上で報道活動を展開すべきである。
面白いことに、1993年に合衆国で民主党政権(クリントン大統領)が誕生すると、日本でも同年に自民党政権(宮沢内閣)が倒れて、左派政党を含む新党連立政権(細川内閣・羽田内閣)が発足し、その次には何と社会党の村山富市が首相になっている(1996年まで)。さらにその次を継いだのは親中・親露の橋本龍太郎である。次の小渕恵三はようやくまともな首相であり、沖縄でサミットを開催するなど米民主党にしっかりとものを言う人物だったが、2000年に謎の急死を遂げている。そしてこの間、概ね日米関係はあまり良くなかった。日本は内政も外交も方向性が定まらずに迷走し、まったく元気がなかった。
ところが、合衆国で共和党政権(ブッシュ大統領)が誕生すると、日本でも小泉純一郎政権が誕生し、日米関係は一挙に蜜月関係に変貌した。現在の国際関係は合衆国を中心に回っているので、この間に日本の国際的地位は大きく向上したわけである。内政も外交も方向性が明確になり、日本は元気を取り戻した。
要するに、単純化して言うと「共和党=親日」「民主党=反日」という構図は1930年代から変わっていないのである。したがって、日本の国益を追求していく上では、共和党を応援すべきだという結論になるはずである。少なくとも、民主党を応援するメリットは日本にとって何もないし、むしろジャパン・バッシングなどの害悪が発生するだけである。
ところが、どうも日本のメディアは政党ではなく個人に着目する癖があるようで、ブッシュは大学の成績が悪かったとか、かつて酒飲みだったとか、娘が未成年飲酒したとか、逆にヒラリー・クリントンは才色兼備だとか、そういうワイドショー的な話ばかり出てくる。
しかし、そんなことは日本にとってはどうでもよいことである。仮にヒラリーに才能があったとしても、その才能がジャパン・バッシングに使われるならば、日本国民の生活は一つもよくならない(むしろ悪化する)。つまり、候補者がどんな人となりだろうと、日本人ひとりひとりの国民生活にはまったく関係がない。
そうではなく、日本国民にとって本当に重要なのは、どの政党が勝つかという問題である。つまり、「共和党が勝つか、民主党が勝つか」というただ一つの問題なのである。
そして、今回の件はその一例である。現在下院の動きが日本にとって気になるのは、前回の中間選挙により民主党が下院の多数派になってしまったために、この決議案が可決されてしまうおそれがあるからである。これは、中間選挙で民主党を勝たせてしまったツケがまわってきたということを意味する。そして、その責任の一端は、民主党を応援するような国益を無視した愚かな報道を行った日本のメディアにもあるのである。
したがって、前回の大統領選挙で日本の国益を損なう報道活動を行ったメディアは、二度と同じ間違いを繰り返さないようにしてもらいたい。しかしながら、どうも決議案の報道を見ている限り、ちっとも改まっていないように思われる。
すなわち、日本のメディアは、今回の件でも、決議案を提出した議員の人物(特に出自)に焦点を当ててばかりいる。しかし、この人物がいかなる人物であろうと、それはどうでもいい事柄である。そうではなく、この人物が民主党の議員であり、民主党の議員がこの議案を提出しているというところが大いなる問題なのである。
そして、この場合、真っ先に糾弾すべきなのは米民主党(及びこの議員)なのであって、下院でもなければ、ましてや合衆国そのものでもない。つまり、「アメリカは云々」「合衆国下院は云々」という批判は、お門違いの批判である。今回の機会に、米民主党の批判をきっちりと行い、二度と米民主党を応援しない決意を固めることが肝要である。
米民主党が歴史認識に関してまずもってすべきことは、殺人鬼ルーズヴェルトの批判であって、対日批判ではない。
いずれにせよ、日本のメディアは、早く真の問題を認識し、襟を正して来年の大統領選挙に向けた報道に臨み、二度と同じ間違いを繰り返さないようにしてもらいたい。
