リスボン条約の調印を祝う
リスボン条約が調印されました。このことは、欧州統合を専門とする弊紙にとってたいへん喜ばしいことであり、心からの祝意を表したいと思います。拡大による機能不全を防ぐため、機構改革の必要性がEUの重要問題の一つになってからかなりの時間が経過してしまいましたが、リスボン条約の調印により、この問題に一応のけりがついたことは素晴らしいことです。
もっとも、EUの機構改革というのは、関税同盟と域内市場の実現というEUの目的を達成する手段に過ぎません。かつて欧州憲法条約がフランス・オランダの国民投票で否決されたときには、メディア等にも、これを過大評価して必要以上に悲観的になる論調が見られました。しかし、機構改革はEUの目的の一手段に過ぎない以上、欧州統合の進捗度を測る真のバロメータは、機構改革の成否ではなく、域内市場の深化の度合いであるというのが、欧州経済新聞の認識です。
したがって、今回のリスボン条約の調印についても、これを過大評価することなく、冷静に受け止めつつも、機構改革という一つの大きな問題が片付いたことにより、ようやく欧州連合が域内市場の実現という本来の目的に本腰を入れられる態勢が整うことを、素直に喜びたいと思います。
ところで、わが国では立法機関が完全に機能不全に陥っているようですが、大丈夫でしょうか。本紙をご覧の皆さまは、EUが連日新法令をどんどん成立させていることを目の当たりにされているわけですが、リスボン条約の施行によってそのスピードはさらに速まっていくことでしょう。
世界の国々が凌ぎを削って競争力強化に努めている以上、現在、新法制定や法令改正の必要性は過去のどの時代よりも高まっています。遅くとも、リスボン条約が施行される2009年の元旦くらいまでには、日本も何らかの方法で立法機関の機能不全を取り除いておかないと、グローバル経済の中で太刀打ちできなくなっていくのではないでしょうか。



